地元民がおすすめする桜スポット

気仙沼の桜で春気分♪

おすすめ 2024/03/30

以前の市民ライターのかずえさんの記事に追記して再編集しています。

春!桜の季節ですね。市民ライターの和絵です。

以前から「気仙沼の花見は寒い!」と言われていました。桜が咲く頃に雪が降ったりすることもあるくらいですからね。もう春だ!と勇んで冬タイヤを交換すると雪が降ったり……ということもありますね。それが「東北らしい春」といえば、そうなのかもしれません。
今年は全国的に、ゆっくりお花見ができる感じではなさそうです。でも、春はやっぱり桜を楽しみたいので、密を避けつつ、短時間でさくっと桜見物ができるといいですね。
今回は、私は気仙沼の桜ウォッチャーとして、オススメの桜スポットをご紹介したいと思います!
車を止めて、歩いて眺めるだけでも、春気分を満喫できますよ。

1.古谷館八幡神社

古谷館八幡神社は、市内松崎中瀬の高台に鎮座する神社です。写真は「江戸彼岸桜(エドヒガンザクラ)」という品種の桜です。

こちらの境内には数種類の桜があり、そのなかでも「熊谷桜(クマガイザクラ)」と呼ばれる桜についてご紹介したいと思います。それは、震災後に「熊谷」縁の、熊谷市民(埼玉県)の方々が植樹をして下さったものだそうです。

▲掲示板の近くにある植樹10年目の熊谷桜

源頼朝配下の武将である熊谷直実(熊谷次郎直実公)は、埼玉県熊谷市本拠地とした武将ですが、源平合戦や奥州藤原氏討伐の戦功で各地に領地を得て、気仙沼にも直実の孫・直宗が移り住み、戦国時代末期に葛西家が滅亡するまで、気仙沼で熊谷党と言う武士集団で武威を誇っていたといわれています。
気仙沼で2番目に多いとされる「熊谷姓」の多くは、この戦国時代に活躍した熊谷直実及び子孫・直宗を始祖と仰いできました。
そんな熊谷氏、そして熊谷市とご縁のある気仙沼を応援しようと、震災後、熊谷市民の方々より熊谷桜の苗木を、古谷館八幡神社や宝鏡寺などの熊谷党ゆかりの寺社、復興祈念公園や伝承館などの施設、また気仙沼の多くの市民のもとへと届けていただいています。

また、今年は熊谷市から桜が贈られる催し「桜のお嫁入り」が、今年で10年目の千穐楽を迎えることから、特別な御朱印を配布しているそうです。消しゴムはんこイラストで描かれた美しい熊谷桜の台紙(作・白幡美晴さん)が、春の楽しい気分を沸き立ててくれますね。(枚数限定のため、なくなり次第終了となるそうです)

2.傳法寺不動尊


傳法寺不動尊は、市内常楽にあり、枝垂れ桜が見られます。近くにある「JR不動の沢駅」の名前の由来にもなっている傳法寺不動尊は気仙沼高校近く、高台の緑の多い静かな場所に、佇むようにあります。枝垂れ桜と言えば、福島の三春が有名ですね。こちらの桜も、とても美しいですよー。

3.神山川


かつては、大川沿いや図書館と並んで、気仙沼の桜の名所だった神山川。約50本ほどあった桜並木は、川の堤防工事により、伐採計画が示されました。
ですが、地元住民を中心とする市民の「残して欲しい」という声を受けて、約3分の1の桜が残されました。川の上流側に残された桜は、今も綺麗に咲いています。気仙沼で今、最も桜並木が続く場所と言えば、この神山川沿いかもしれません。
桜を伐採する時に、希望者にその桜の木を譲る企画がありましたが、その桜を使って、こんな素敵な企画があったそうです。
津波耐えた気仙沼の桜 そろばんに
私もあの時、何かに使って保存出来るなら手元に置きたいなぁ……なんて思ったのですが、こういう利用は素晴らしいですね。

4.気仙沼中学校~気仙沼図書館の桜


私の母校なので、ここも個人的にオススメしたい場所です。
地元の皆さんが、例年夜桜のライトアップをして下さっていて、とても嬉しく美しいのです!(しかし、今年実施されるかどうかは不明です。ゆっくり夜に散策出来るようになるといいなぁと思っています。)
早朝、図書館の隣、気仙沼中学校の体育館前から見る桜の景色もおすすめですよ。

5.被災した桜を保存中。大川沿いの桜


そして、桜と言えば、忘れられない場所があります。それは気仙沼・大川沿いの桜並木。
震災前の大川沿いには、とても美しい桜並木があり、市民の大切な場所でした。727メートルに渡って、179本の桜があったそうです。
私も、すぐ対岸の小学校に通っていた頃から、いつも友達と歩いた思い出の場所でした。
この桜並木は、残念ながら、東日本大震災で津波により大きな被害を受けました。それでも、生き残った数本の木は、その年も、翌年も、花を咲かせてくれましたが、2013年に堤防の改修工事が決定し、伐採が決定しました。
そこで、なんとかして、生き残った桜を保存したいと、地域の有志の方々が「気仙沼大川桜並木を保全する会」として活動し、桜を残す活動を始めて下さいました。
様々な御尽力により、生き残った桜7本を一時対岸の地区に仮移植して、大切に育ててきた桜を、昨年、新しく再建された「大川公園」に植えて下さいました。先日、早朝、その桜の様子を見に行ってきました。

つぼみがいっぱい!頑張って保存して下さって、ありがとうございます!こちらは、かつて桜が咲いていた川沿いの道。

今は、公営住宅が建ち、その隣には新しい中央公民館が建設中です。その公営住宅沿いにも、桜が植えられています。一番早く咲く種類を植栽して下さったのかな。嬉しいですね!

と、ここまで色々とご紹介してきましたが、まだまだ気仙沼にはキレイな桜の景色があるんです……。
ここからは主に地元の方向けの桜スポット情報になりますが、緑色の「御衣黄」が咲く、大島・亀山の桜も素晴らしいですし、市内でもとても早く咲く、旧市立病院の桜も、元気に頑張っています。
新しくなった図書館の2F窓際から目の前に見える桜は、目の前に咲く桜が夢のような景色だし、裁判所や、JR上鹿折駅に静かに咲く桜も素敵です。
プラザホテルへ登っていく坂道の桜は、内湾の景色とともに眺めることが出来るし、寺院や神社、各学校にも素晴らしい桜がたくさん。唐桑や本吉にも、たくさん美しい桜がありますね。遠出しなくても、素敵な場所がたくさん。

今年はそれぞれに「地元の桜」を、そーっと楽しみましょう。遠くにお住いの方は、ぜひ落ち着いたら春の気仙沼に足をお運びいただき、その時に一緒に楽しんでいただけたらなぁと思います。

和絵さんのこれまでの記事はこちら
↓↓↓