気仙沼の海のあじ、山のあじ 第2回

港町の料理に「気仙沼産しょうが」

未分類 2020/10/19

豊かな自然に囲まれている気仙沼は、とれたての海の幸、山の幸が集まります。海と山がどちらも近いということは、とれたばかりのおいしさが味わえるということ。
港町の料理といえば魚料理ですが、実はそれに欠かせないのが「しょうが」です。第2回目の今回は、「気仙沼産しょうが」をご紹介します。

▲今年は梅雨時期に雨が多く、収穫は少ない見込みだそう。それでも掘り出したばかりのしょうがは白くてキレイです。

生姜の収穫量が多いのは、高知や熊本といった南の産地ですが、ここ気仙沼でも、しょうがを作っている唯一の農家さんがあります。

▲気仙沼で専業農家をされている齋藤憲介さん。

しょうが作りを始めて9年目になるという齋藤憲介さんの家は、代々専業農家を続けており、齋藤さんが地元産直に出しているきゅうりやトマトは、すぐに売り切れてしまうほど人気です。

齋藤さんが自分の代で始めたという、しょうが作りは、指導する人もいないなか、手探りで始まったと言います。

▲しょうがの葉っぱ。しょうがは土の中で育ちます。

しょうがの葉っぱは、手間いらずで育つと言われる「ミョウガ」と似ています。それならば、しょうが作りも簡単そうだ、と初めは思ったそうですが、ミョウガと違って土の中で育つしょうが作りは、土の中の菌との戦い。害虫も増えやすく、一筋縄ではいきませんでした。

それでも諦めず、手を加え、試行錯誤を繰り返すうちに、立派なしょうがが採れるようになりました。

▲「気仙沼の料理にしょうがは欠かせない」と話す齋藤さん。

なぜ、周辺の農家がやらないような「しょうが作り」をこの地で始めたのか。

「港町である気仙沼では、しょうがは、煮魚や魚の風味づけに欠かせないものなんです。お寿司に添えられているガリもそう。国産品を使うことでコストはかかるけれど、気仙沼で食事をした人が『この横に添えられたしょうがも気仙沼産なんですよ』と言われたら嬉しいはず。」と齋藤さんは言います。

▲泥を落とすと、新しょうがは真っ白に。

取材時には、畑から掘り出したばかりのしょうがをいただきました。この、収穫してすぐの状態が「新しょうが」で、一般的にスーパーに並んでいるのは貯蔵して寝かせた「ひねしょうが」となります。

「新しょうがは水分が多いため、すりおろすよりも細く刻んで針生姜にして添えるとおいしい。」とお聞きしたので、私たちもさっそく、しょうがをキュウリの漬物と一緒に食べてみました。

▲新しょうがの爽やかさがあとを引くおいしさです。

新しょうがならではの爽やかな香りと、パリパリとした食感が、漬物をもっとおいしくしてくれます。針生姜はカツオの刺身に乗せたり、焼きナスに乗せるのもオススメ。齋藤さんのイチオシは「餃子にたっぷり入れる」ことだそう。生姜はメインの食材になることは少ないけれど、料理のほか、お菓子の香りづけ、シロップ漬けにしたりと幅広く楽しめます。

料理に香り、風味を添える気仙沼産しょうが。「今はここだけでしか作っていないので、地元で使用されている数も少ないけれど、逆にいえば青天井とも言える。」と、齋藤さんは期待を込めています。気仙沼のいろんなお店の料理と一緒に、気仙沼産しょうがの味をみなさんに楽しんでもらえるようになったら、またご紹介していきたいと思います。

気仙沼産しょうが
収穫時期
10月〜11月
味の特徴
香りが強く、えぐみが少ない
購入できる場所
JA菜果好
生産者
齋藤憲介さん
気仙沼産しょうがを使った商品を販売しているお店

斉吉商店(一部のさんま加工品等に使用)