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気仙沼の海のあじ、山のあじ 第4回

潮風が育てる甘みと柔らかさ「南三陸ねぎ」

未分類 2021/01/04

豊かな自然に囲まれている気仙沼は、とれたての海の幸、山の幸が集まります。海と山がどちらも近いということは、とれたばかりのおいしさが味わえるということ。寒さでさらに甘みを蓄えるネギは、冬の鍋物には欠かせない野菜。第4回目の今回は「南三陸ねぎ」をご紹介します。

ここ、気仙沼市の階上(はしかみ)地区で「南三陸ねぎ」を育てる「シーサイドファーム波路上(はじかみ)」は、震災後に設立した農業生産法人です。

▲シーサイドファーム波路上のネギ畑。見渡す限り、周囲に高い建物はありません。

ネギ畑の向こうには、校舎の4階にまで津波が達した旧気仙沼向陽高校(気仙沼市東日本震災遺構・伝承館)があります。この地域は気仙沼市内でも特に大きな津波被害を受けた場所でした。

建物がほとんどない見晴らしの良い畑は、ここが震災後に作られた農地だからです。震災後50センチ〜70センチ地盤沈下したこの土地をかさ上げした後、200人以上の地権者ひとりひとりから同意書をもらい、震災から3年後の平成26年から農地の整備事業が始まりました。

▲シーサイドファーム波路上で代表を務めている佐藤信行さん。

震災前から農家を続けていた佐藤さんは、避難所にいた際に「新鮮な野菜が食べたい」という声を聞いて、避難所の近くに畑を借りて、再び野菜を作るようになったと言います。
「その時に『ネギも欲しい』と言われて、ネギはまだ自分の畑に残っているかもしれないと思いました。そこでみんなで手分けして畑を探したら、ネギが残っていたんです。」
津波によって海水を被ってもなお、畑で生きていたネギを見て、佐藤さんはネギの丈夫な性質を実感しました。

また、農業を再開する前に、佐藤さんたち農業組合で、瓦礫撤去や草刈りをしていた時、高台で休んでいると、ふと海から煙が流れていくのが見えました。それは、強風が海水を運ぶ潮風でした。当時は「建物がすぐに錆びるな」と考えただけでしたが、あとあと、玉ねぎやネギを育てる際に塩水を撒く生育方法があることを知り、天然の潮風が吹くこの地はネギを育てるのに適していると思ったそうです。他にも、作業を機械化しやすいこと、腐りにくくストックできることなどの利点から、作物を「ネギ」に絞って育てることが決定しました。

▲「南三陸ねぎ」の出荷作業中。

潮風を浴びて育ったシーサイドファーム波路上の南三陸ねぎは、甘みが強く、身が柔らかいのが特徴です。1年を通して、6〜7月以外は収穫することができ、秋〜冬の最盛期には、甘みがなおさら増すといいます。

▲ネギの甘味たっぷり。ベーコン巻き焼き。

バーベキューなどでぜひ試してほしいのが、一本を丸ごと炭火で焼く食べ方です。塩を振ったり醤油を垂らして、熱々のネギを頬張ると、ネギのもつ甘味がより一層感じらます。また、地元階上婦人会がオススメする食べ方は「ネギのベーコン巻き焼き」。くるくるとベーコンを巻いてネギを焼くと、お弁当にもぴったりの一品おかずが出来上がります。

▲寒さにも強炒め、露地栽培されています。

今年はコロナ渦を受けて中止となりましたが、波路上シーサイドファームでは、冬の時期に、土のついたままのネギを畑から抜いて、そのまま米袋に詰め放題にして販売する「ねぎ掘り祭り」が行われていました。おいしいネギをぞんぶんに楽しめるとあって、来年こそはとイベントの開催を待ちわびる声もあり、南三陸ねぎのおいしさが、地元の人たちに浸透してきていることが伺えます。

南三陸ねぎは、市内の一部スーパーマーケットで販売されている他、来年オープン予定の「道の駅大谷海岸」に出荷される予定だそうです。畑からすぐそばの、気仙沼市パークゴルフ場のレストランメニューや、「三陸わかめ屋ムラカミ」さんのインスタント味噌汁「MISO SOUP」にも使われているとのことです。
「ぜひ、このあたりに来た人にも、地元の特産物を楽しんでもらいたいです。」と佐藤さん。みなさんもぜひお試しください!

南三陸ねぎ
収穫時期
8月上旬〜5月下旬
味の特徴
甘みが強く、身が柔らかい
購入できる場所
市内スーパー(MAIYA)、道の駅大谷海岸(2021年3月オープン予定)
生産者
佐藤信行さん
南三陸ねぎを使った商品を製造・販売しているお店

三陸わかめ屋ムラカミ
気仙沼市パークゴルフ場
めん丸(ラーメン店)
麺楽(ラーメン店)