気仙沼の冬の味覚といえば「海のミルク」と言われる、牡蠣。
栄養が豊富らしい、身体にすごくいいらしい……牡蠣がイイらしいよ、っていうのは多くの方がなんとなく認識しているところだと思います。
が、それはあくまで「なんとなく」……そう、なんとなくそう思っている方も、多いのではないでしょうか。
今年もシーズンインした牡蠣について、実はいまひとつ知られていないその凄さを、牡蠣好きの私が語ってみたいと思います。
何がすごいって、牡蠣は動けないヤツ!
牡蠣って、海の中でじーっとしています。ヤツは動けないのです。
自分でエサを獲りに行けないから、ひたすら海水中の良質なプランクトン類を摂取しようと、海水を吸い込みます。なんとその量は、1日にバスタブ1杯とも言われています。
あの小さな身体で、一日にそこまで海水を取り込む力を備えています。なんて底知れぬ力!
そして、動けない=筋肉(に相当する器官)が、ほぼ無い。ということは、ほとんどが「内臓」。
なので、すみずみまで栄養が蓄えられているのが、牡蠣の大きな特徴なのです。
亜鉛が豊富!(セレンも豊富!)
牡蠣にはミネラルやビタミンが豊富。数多くバランス良く含有されています。
中でも特徴的なのが「亜鉛」。
亜鉛が持つ、免疫を向上させ、細胞を修復させる力が、身体の働きの様々なサポートをしてくれます。
タンパク質の合成にも欠かせません。
肌も爪も髪も、もちろん筋肉や内臓も、人間の身体の殆どはタンパク質で出来ていますので、
病気や疲労によって傷ついたタンパク質を再生させることは、健康にも美容にも不可欠です。
亜鉛だけじゃなく、タウリンも、各種ビタミンも、豊富!
牡蠣はタウリンも豊富です。
「ファイト一発」で有名なタウリンは、疲労回復に良いとされていますが。
コレステロールを減少させる効果があり、血圧上昇を抑えるはたらきもあるので、
高血圧予防にも有効です。
そもそも、ビタミンやミネラルは「これをたくさん摂っていれば良い」というものではなく、
バランス良く様々なものを適量摂っていることが身体に大切なのです(ここ大事)。
牡蠣の素晴らしいところは、この多種ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸他が、バランスよく含まれていること。
今の日本人は、カロリー摂取は十分(過多気味?)、ビタミンとミネラルは食事からの摂取は不足気味ですが、ビタミンはサプリ等で摂取していますが、ミネラルが不足がちの傾向にあります。
そこを補ってくれる素晴らしい食材が「牡蠣」。牡蠣はデキるヤツなんです。
歴史がすごい!
中国、明時代に発刊された医学書「本草綱目」(後に江戸時代の日本でも発刊され、現代の日本の薬学に大きな影響をもたらした書籍)の中には、既に牡蠣が紹介されています。
「煮て食すと虚無感、心理的なわずらいを癒し、身体の調子を整え、丹毒を消し、婦人の血気の流れを良くする。生のまま生姜酢で食すと、丹毒を治し、飲食後の熱を下げ、のどの渇きをいやす。炙って食すると大変美味しく、また肌の色を整え、皮膚の色を美しくする。」(本草綱目 二十三 四十六巻)
という記載があります。
牡蠣が健康にイイ(美容にもイイ!)というのは、500年も前から知られていたんですね♬
ちなみに日本では、縄文時代から、既に食されていたという歴史もあるそうです。
縄文時代の貝塚群には、カキの殻がたくさん出土されているんだそうです。
大昔の人も、身体によくて美味しいものを知っていたんですねー。
そして、おいしい!
こんなに素晴らしい牡蠣。でも何より嬉しいのはおいしいこと。
昔は牡蠣のシーズンは「rの付く月」(9月~4月)と言われていましたが、今は温暖化の影響などもあり、10月くらいからシーズンインすることが多くなりました。さらに生産者さんの御尽力もあり、美味しい生牡蠣を春先5月くらいまで楽しむことが出来るようになりました。
気仙沼でも牡蠣メニューを楽しめるお店が続々。嬉しい悲鳴ですね。
牡蠣のおいしさを楽しむには、様々な料理法がありますが、亜鉛や鉄の吸収率を上げるには、ビタミンCを含む食材(レモン・玉ねぎなど)と組み合わせて摂ることが有効です。
牡蠣フライにレモンたっぷり、はもちろん。牡蠣のレモン風味のバターソテー、牡蠣とブロッコリーの中華炒め(石渡商店さんのオイスターソースを使うと牡蠣パワーがさらにUP?)とか、牡蠣とほうれんそうのグラタン。レモンと玉ねぎをたっぷり使った牡蠣のマリネなんかも良いですね。
貧血や、お肌の荒れが気になる女性などには、特にオススメの食べ方です。ぜひどうぞ。
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