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魅力と旨味があふれ出して止まらない魚、ドンコ【インターン記事】

食べる 2020/03/12

こんにちは。2月12日から1ヶ月間、気仙沼地域戦略でインターンをしている森口海生です(名前は「かつお」と読みます)。

出身は岐阜県で、今は宮崎大学に通っているのですが、観光で地域経営をするDMOの先進地である、気仙沼市でDMOについて学ぶためにインターンへ参加しました。

ところで、みなさんは気仙沼といえば何を思い浮かべますか? カツオ、牡蠣、フカヒレなど海の物を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。僕も最初は気仙沼といったらカツオと思っていました。実際に気仙沼の水産業者さんを見てみると、牡蠣や大きなタラが並んでいたのですが、その中で衝撃的な姿をしていた魚を見つけました。

水揚げされたドンコ

そう、それが「ドンコ」です。

ぱっかり開いた大きな口。その中から出ている謎の丸い物体。この魚は何なんだ、と驚きと興味を持ちました。そこで、今回はドンコについて紹介してみようと思います。

1. ドンコってなに?

ドンコは、タラ目に属するタラの仲間で、正式名称を「蝦夷磯鮎並(エゾイソアイナメ)」と言います。特徴は何と言っても、この口から何か出てる姿!!

これ、実は胃袋なんです!深海魚であるため、水揚げすると水圧の関係で口から出てくるそうです。

ちなみに、気仙沼では「えびす講」と言って、旧暦10月20日、2020年でいうと12月4日(金)大安の日に、「商売繁盛」の神様であるえびす様を祀る行事があります。その行事のお供え物として、一般的にはえびす様にちなんで鯛をお供えするのですが、気仙沼ではこのドンコをお供えします。

地元の魚屋である磯屋水産さんに話を伺ってみたところ、ドンコは口が大きくて「何でも食う」「たくさん入ってくる」ということで、「お金がたくさん入ってくるように」とドンコをお供えするのだとか。

2. ドンコを釣りに岸壁へ

釣り好きの方からドンコは自分でも釣れるよ、とお聞きしたので、早速釣りに行ってみることにしました。釣り道具を持ってきていなかった僕は、気仙沼市の鹿折にあるマルカノーさんに買い物へ。

入ってすぐのところに、初心者用の低価格な釣竿が売られていて、餌などを全部含めて、3,000円くらいで揃えることができました。

それでは、釣りに出発!

気になる結果は・・一匹も釣れず。

連れてきていただいた方に聞くと、普段は普通に釣れるそうですが、この日はあいにく天気がもの凄く悪かったので、残念な結果になってしまいました。

3. ドンコを自分でさばいて食べる!

自分で釣ることは出来ませんでしたが、やはりドンコを食べてみたい!ということで、自分で買ってきちゃいました。

作る料理は2つ、ナメロウとドンコ汁です。普通の魚と同様に、三枚おろしにしていくのですが、僕は魚をさばくのも初心者。今回は、気仙沼で釣りをメインにYouTuberとして活躍している、アナハゼティさんの動画を参考にしていきました(動画のURLは最後に載せておきます)。

<ナメロウ>
材料
・ドンコの切り身
・ドンコの肝(肝は少し湯がいておくとよい)
・味噌
・ショウガ
・ネギ
作り方
1. 魚の切り身をたたく。
2. 味噌とショウガを入れてたたく。
3. 湯通しした肝、ネギをいれて再度たたく。
4. 完成!

これは衝撃的な美味しさでした!ドンコの肝によって、とっても濃厚な味になります。お酒のつまみにも、ご飯のお供にも最高です。

<ドンコ汁>
材料
・ドンコの身
・ドンコの骨・アラ
・ドンコの肝
・ネギ
・味噌
作り方
1. さばいた時に出た骨・アラの部分で出汁をとる。
2. ドンコの身を入れる。
3. 味噌を溶かす。
4. 肝を入れる。
5. 完成!

ドンコの出汁がしっかりと感じられる味です。また、最後に入れた肝がさらなる旨味とコクを与えてくれています。

4. まとめ

牡蠣やフカヒレなどたくさんの海の幸がある中で、今回はドンコに着目してみましたが、身から肝、骨まですべて美味しかったです。

先日、鮮魚店の濱喜さんでお話を伺ったときに、「魚は切り身ではなく、まるまる一匹買って欲しい」とおっしゃっていました。今回はじめて一匹買って自分でさばいてみたわけですが、すべての部分が料理に使えて、しかも切り身で買うより安く、とても頷ける気がします。今回のインターンを機に、自分も魚の買い方を考え直したいと思います。

取材協力: 磯屋水産濱喜

参考: アナハゼティ「このドロドロの深海魚。釣れても捨てないでください