気仙沼市外の方々から寄せられた「気仙沼の仮設商店街や、仮設の店舗で出会ったお店の人たちは、今ごろどうしているだろう? 」という声をもとに、お店を経営している方々に取材をしました。被害の大きかった地区では、思うように土地が使えなかったり、仮設のお店を再開するにも多くの苦労がありました。地域の助けはもちろん、ボランティアや、遠方からの応援を力に、いまも変わらず元気に営業しているお店のお話を、前編に引き続きお届けします!
すがとよ酒店 菅原英樹さんのこれまでの歩み
仮設商店街のころ→現在の店内
2011年から2016年まで3か所での仮店舗営業。
2016年に 鹿折に本設営業スタート。
震災直後には「負げねぇぞ 気仙沼」というオリジナルラベルのお酒がきっかけとなり、全国の方から応援して頂きました。四国や鹿児島から、はるばるうちのお店を目指してやってきてくれた方がいらっしゃったのはありがたかったです。
仮設でお店を再開した後は、まず近くのお客様に助けていただきました。酒屋は、地元に根付いた商売。鹿折地区は津波で全て流されてしまったけれど「お店の100周年は、鹿折で迎えたい」「もう一度この場所で始めたい」という強い気持ちがありました。街の酒屋として、鹿折に戻ってきた人たちが、また交流できるような催しを開催して、いつかお祭りを再開したいです。鹿折が生まれ変わっていくのを、この場所で一緒に見ていけたらなぁと思っています。
- 店舗名
- すがとよ酒店
- 住所
- 気仙沼市新浜町2丁目3-6
- 営業時間
- 9:00〜19:00
- 定休日
- 不定休
BAR PRISM 小野寺雄志さんのこれまでの歩み
仮設商店街のころ→現在の店
2011年 復興屋台村気仙沼横丁で事務局長を務める。
2017年 復興屋台村気仙沼横丁・閉村。
2019年 みしおね横丁にBAR PRISMをオープン。
「復興屋台村気仙沼横丁」では、たくさんの人との出会いがありました。横丁のオープン前にちょうちんをプレゼントしてくれて、その後毎月必ず顔を出してくれた方。地元で開催したイベントの収益を、毎年寄付してくれていた福山の「福活会」さん。七夕飾りやツリーを飾って、イベントを開催してくれた神奈川県ユニセフ協会さん。ずっと一緒にイベントをやってくれた「横丁ライジング」メンバー。他にもお世話になった方々はたくさんいるので、全ては紹介しきれません。
そういった人たちは、今もみしおね横丁を訪ねてきてくれたり、他の場所で営業を再開した店に顔を出してくれたりしています。震災をきっかけに出会って、その後もずっと関係が続いていると感じます。
屋台村は、地元の方、ボランティアの方、復興作業員の方、漁師さんなど、さまざまな人が集まる場所でした。隣同士になって、一緒に飲んで、みんなが友達になれる。そういう「コミュニティが産まれる場所」は、みしおね横丁でも継続して作っていきたいと思っています。今の状況が落ち着いてきたら、またイベントを開催して、賑やかに楽しくやっていきたいです。
- 店舗名
- BAR PRISM
- 住所
- 気仙沼市魚市場前4-5
- 営業時間
- 11:00~14:00 17:00~24:00
- 定休日
- 木曜 金曜ランチ
大菊 吉田晶子さんのこれまでの歩み
2011年 海の市(気仙沼魚市場隣の観光物産施設)の店舗が被災。本店などで営業を続ける。
2014年 海の市再開に伴い、海の市店を再オープン
現在の店内
震災では、海の市にある店舗が被災し、震災直後は、ただ必死に地元の方の食をつなぐために店を開けるという状態でした。そして、海の市の再建が済んで、ようやく再オープンできたのが2014年です。
この海の市には、オープンスペースがあったので「自分も何かできないかな?」と思い、初めは私自身がバンドの一員として出演しました。すると「ステージで何かをしたい」と言う人から声がかかるようになって、それと同時に、近くに一人暮らしする人が「楽しいイベントを見たい」と言う声も聞こえてきました。
じゃあ、そこをつなげる場所とイベントを作ろう!と思って、それからは海の市で開催するイベントに関わっています。被災地はどうしてもマイナスなイメージを持たれてしまいますが、イベントを通して楽しい思いを共有できれば、みんなが自然にプラスイメージを持つことができます。こうやって、楽しさの輪が年代を超えて広がっていく素晴らしさを感じました。
これまでは、外から支援していただくことが多かったのですが、これからは私たちが貢献する番だと思います。また、気仙沼を盛り上げたいと想いのある人や、若い人のことをどんどん応援していきたいと思っています。
- 店舗名
- 大菊 海の市店
- 住所
- 気仙沼市魚市場前7-13海の市1F
- 営業時間
- 8:00〜18:00
- 定休日
- 海の市休館日
居酒屋たすく 牛島祐子さんのこれまでの歩み
2011年から2017年 復興屋台村気仙沼横丁。
2017年 現在の場所にて本設営業スタート
仮設商店街のころ
福島県郡山市で23年間居酒屋を営業していました。震災で実家が流されてしまい、住む気で戻ってきたわけではないですが、ご縁あって郡山のお店を引き上げて復興屋台村気仙沼横丁に「居酒屋たすく」を開店しました。屋台村のときは、郡山時代のお客さんをはじめ多くのお客さんが訪れてくれました。来てくれたお客さんが、店舗の壁一面に書いてくださったメッセージは、写真に残して今でも大切にしています。いまの場所にお店を構えて、今年で4年目を迎えます。10年経っても、郡山時代、そして屋台村のときのお客さんがお店に遊びに来てくれて、再会できることがとても嬉しいです。10年間応援いただき、本当にありがとうございます。
- 店舗名
- 居酒屋たすく
- 住所
- 気仙沼市南町2丁目2-29 昭栄ビル303
- 営業時間
- 11:30~13:30 、17:30~23:00 来店前にお電話いただくと確実です。
- 定休日
- 木曜日
最新の情報については各問い合わせ先にお問い合わせください。