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大海に漁に出て仕留める大型魚

知ればもっとおいしく!気仙沼のメカジキ

未分類 2022/10/31

世界三大漁場の一つである気仙沼では、1年を通して多種多彩な魚が水揚げされます。そのうち、水揚げ量で連続日本一を記録している魚の一つがメカジキなのです。
地元の人たちにとっては昔から身近で、特別な海の味覚。特に10月~3月に水揚げされる〝冬メカ〟は、その身にたっぷりと脂を蓄えているのが特徴で、この時期は特に濃厚なうまみを楽しむことができます。
ここでは、さまざまな視点から気仙沼のメカジキについて知っていきたいと思います!

Story1


メカジキは、スズキ目・メカジキ科に分類されるカジキの仲間で、メカジキ科唯一の現生種。カジキ類の中ではとても大きく成長する魚です。体長は4〜5メートル程度になり、重さは100キロ超え。性格は獰猛、時速100キロで海の中を泳ぐメカジキは、料理に変身するまでには様々な人の手が介されています。

水揚げされるまでが大変!
▲突きん棒漁
▲延縄漁

メカジキ漁には、漁船の先端に立ち、三叉の銛(もり)「突きん棒」を使ってメカジキを仕留める突きん棒漁と、時に100kmに及ぶロープでメカジキを釣り上げる延縄漁などがあります。
突きん棒漁は波間によぎる魚影を探し、一人は見張り台の上から船を操り、もう一人は、突き台の上から銛を放つ「狩り」のような漁です。
一方、延縄漁は幹縄と呼ばれる長いロープに、枝縄と呼ばれる短いロープを繋ぎ餌をつけ、それを海に沈めて魚を食いつかさせる大掛かりな仕掛けです。いずれの手法にせよ、魚体の大きなメカジキを水揚げするには大変な苦労がともないます。

加工によって保たれるおいしさ


水揚げされたメカジキは、頭、尾を切られ、高圧噴射の水流で洗浄されます。船によっては、洗浄機械を搭載しているものもあり、船上での一工夫により、高い鮮度を保ちながら出荷しているメカジキもあります。
大きなめかじきは、部位ごとに切り分けられ、刺身・ステーキなどに使われる身、煮付けや焼き物が美味しいハーモニカ、煮込みや照り焼きでとろとろに仕上がるカマなど、それぞれに違った美味しさがあります。

愛される港町の味


メカジキは一尾あれば多くの人のお腹を満たすことができるため、漁船の乗組員が帰港した際、自宅や近所に持ち帰る「分けざかな」として好まれてきました。そのため、気仙沼の港町付近に住む人々の思い出の中に「豚肉の代わりにメカジキを入れた「メカカレー」が家庭料理として定番だった」というエピソードがあるほど。漁期は通年で、夏でもマグロほど身の質を下げないメカジキは、地元の人々にとって馴染み深いメジャー食材なのです。

Story2


大きなメカジキは、部位によって違ったおいしさが楽しめることは前述の通りですが、さらに詳しくメカジキの「カマ」「ハラブロック」「背ブロック」の部位の特徴について少しふれてみたいと思います。

まずは「カマ」。これはメカジキの頭と胴体の付け根部分にあたる希少な部位。皮下にはコラーゲンがギュッ!プルプルでふっくら柔らかな食感の一面もありながら、しっかりとした歯ごたえも感じることができるのが特徴です。煮付けや照り焼き、唐揚げなどしっかり火を通す調理に向いています。


お店で販売されているものの多くは、調理しやすいよう、あらかじめカットされています。希少な部位でありながらお手頃価格で手に入り、さらに調理もしやすく味もよしとあって地元民にも人気です!

Story3

では、実際に「メカジキ」はどのように水揚げされ加工されるのでしょうか。ここでは、大型近海延縄船第81大喜丸を保有する、大喜水産の前田晃壽社長にお話をお伺いしました。大喜水産の船は、特に船上での加工・処理に力を入れることで、メカジキ本来のおいしさを最大限に引き出す努力をしているそうです。

メカジキ本来のおいしさを。

メカジキは、気仙沼では「メカ」と呼ばれ、刺身にしても、煮ても焼いてもおいしく、骨からも良い出汁が取れるため、捨てるところのない魚とも言われています。
また、1年を通して流通しているため、地元民には馴染み深い魚です。特に10月〜3月頃の冬メカは、本マグロに負けないくらいに脂と旨味がありますが、まだまだ全国的には知られていません。鮮度が良ければ生食用として出回るものの、足が早いことからその割合は少なく、ほとんどが気仙沼市内や近場での消費に限られることも理由の一つです。
気仙沼出身ではない前田社長はメカジキにあまり馴染みがなく、かつてはその「独特の匂い」も気になっていたそうです。

現在、大喜丸が水揚げするメカジキには、そういった嫌な匂いや、えぐみがなく、メカジキ本来のおいしさを味わうことができます。「大喜丸のメカジキを買いたい」と都内のレストランから指名買いされることもあるそうです。
そのおいしさの理由は、水揚げしてすぐに船上で行われる魚の処理にありました。

船上での処理で鮮度を保つ!


前田社長が「船は一番最初の工場」と話す大喜丸には、船上で魚の鮮度を保つための処理ができる装置が搭載されています。
まず、網からひきあげたメカジキはすぐに「ナノバブル洗浄」という手法で滅菌されます。そして、丁寧に一匹ずつ保存シートで包むことで、高い鮮度を保ちながら港まで運ばれていきます。つまり「港に到着してから工場に運ばれて処理をする」ものよりも、大喜丸のメカジキは、圧倒的に早い段階で処理されていることになります。その鮮度の高さを表すエピソードとして「(大喜丸のメカジキは)輸送のトラックにも魚臭さがつかない」という販売店の声もあがっているとか。
「こういった処理をしなくても、メカジキの値段は変わらないんです。でも船名シールを貼って販売するということは、獲った人の顔が見えるのと同じ。だから、ごまかしはしません。船の上できちんと手間暇をかけて処理をしているから、うちのものはおいしいです」と前田社長は自信を持っておすすめしています。

▲煮ても焼いても美味しい立派なメカジキです。

「食べてみればその違いが一番わかる」ということで、実際に大喜丸のメカジキを頂きました!

刺身にしてみると、脂がたっぷりのっているのに、後味は軽く、何枚でも食べられてしまうことに驚きます。
しつこさもなく、魚臭さも全くなく、魚の旨味と甘さだけが口いっぱいに広がり、これがメカジキの本来のおいしさなのかと感動するほどです。
また、塩コショウをして焼いただけで、身がホロホロと柔らかく仕上がり、メカジキの脂もとろけるような旨味に変化しました。まさに極上のメカジキのおいしさでした。

▲気仙沼でしか食べられない「メカしゃぶ」は絶品。

前田社長のおすすめは、メカジキのしゃぶしゃぶ「メカしゃぶ」です。刺身で食べても美味しいメカの身を鍋にくぐらせて「レア」状態を楽しみます。火の通し方で変わるメカジキの味わいを堪能できる、贅沢なメニューです。

このメカしゃぶの他、冬(10月〜3月)の時期には、大喜丸の入港タイミングで、海の市で即売会が行われることもあります。気仙沼にお越しの際、もし「大喜丸のメカジキ」を見かけたら、ぜひその味をお試しください!

大喜丸のメカジキ
水揚げ時期
通年
味の特徴
たっぷりと脂が乗り、旨味がたっぷり。魚臭さがない。特に冬メカ(10月〜3月頃の時期)は脂の乗りが最高になる。
購入できる場所
阿部長商店 海の市店(入港のタイミングで入荷することがあります。)
生産者
大喜水産 第81大喜丸
大喜丸のメカジキが食べられるお店
店名
新富寿し
住所
宮城県気仙沼市東新城1丁目13-3
電話番号
0226-23-7475
ホームページ
https://shintomisushi.com/