
気仙沼市がロケ地となった映画「サンセット・サンライズ」。2024年3月15日(土)に、メインロケ地である宮城県気仙沼市で凱旋上映会が行われ、岸善幸監督、ヒロインを演じた俳優の井上真央さんをはじめ、本市出身の俳優で本作品の方言指導を担当された小野寺ずるさん、プロデューサーの佐藤順子さんが登壇し、第1部上映終了後と第2部上映開始前の2回舞台挨拶が行われました。
すでに、映画公開直後には、仙台市での凱旋舞台挨拶が行われており、映画館のない気仙沼での舞台挨拶は実現が難しいと思われていました。しかし今回、気仙沼で上映活動を企画運営している「気仙沼の文化を支えるホタルの会」が中心となり、気仙沼市民会館での上映会が実現。それに合わせ、登壇者のみなさんにお越しいただく本当の「凱旋」舞台挨拶が叶いました。
1000人キャパシティの気仙沼市民会館大ホールが両回とも満席となり、地元の観客が熱い視線を送った当日の様子をレポートします!
リモートワークを機に東京の⼤企業に勤める釣り好きの晋作(菅⽥将暉)は、4LDK・家賃6万円の神物件に⼀⽬惚れ。何より海が近くて⼤好きな釣りが楽しめる三陸の町で気楽な“お試し移住”をスタート。仕事の合間には海へ通って釣り三昧の⽇々を過ごすが、東京から来た〈よそ者〉の晋作に、町の⼈たちは気が気でない。
⼀癖も⼆癖もある地元⺠の距離感ゼロの交流にとまどいながらも、持ち前のポジティブな性格と⾏動⼒でいつしか溶け込んでいく晋作だったが、その先にはまさかの⼈⽣が待っていた̶︖︕
舞台挨拶がはじまると、会場は大きな拍手に包まれました。まずは多くの気仙沼市民があつまった客席へ、登壇者からメッセージが送られました。
岸監督:今日はお越しいただきありがとうございます。皆さんの日常で目にしている風景は、僕らからするととても美しく、気仙沼の人が日常で食べいている食べ物は、本当においしい。映画を通して、皆さんのいる場所の魅力を改めて感じてほしいです。
井上さん:気仙沼の皆さんには大変お世話になりました。ようやく皆さんに観ていただけることを嬉しく思います。
同じくロケ地でお世話になった大船渡市の皆さん、ニュースを見て心を痛めるばかりですが、1日も早く穏やかな日常が戻ることを願っています。大船渡市の皆さんにもいつかこの映画を観ていただき感謝の気持ちを直接伝えたいです。
小野寺さん:地元で撮影された作品に関われたこと、こうして舞台に立たせていただいていることが本当に光栄です。
井上さん:今日はお母さんも見に来てるんだよね?
小野寺さん:母は午前の上映に来ました(笑)。午後の上映には友達と、お兄ちゃんの奥さんが来ています(笑)
佐藤さん:この作品の企画を立ち上げたのは3〜4年前。コロナ禍を経て、ふるさとに対する思いが強くなり、この映画を企画しました。ロケ地の皆さんに観ていただけることが何より嬉しいです。
和やかな雰囲気の中、映画の見どころについて聞かれると、意外な『脇役』の存在が明らかになりました。
岸監督:気仙沼のおいしい料理がたくさん登場します。特に菅田将暉さん演じる晋作が料理を食べるシーンや、井上さんが地元の人に負けない包丁さばきを披露する場面に注目してほしいです。
井上さん:プレッシャー!(笑)料理は割とするんですけれども、普段タコを丸ごと1匹茹でることはないので‥‥(笑)今回初めて挑戦しました。タコの足が丸まる様子を見て驚きました。とても貴重な経験でした。
佐藤さん:宮藤官九郎さんが故郷・宮城を舞台に描いた作品で、(地元の)みなさんの目にはどう映るのか…というのが心配ではあるけれど、故郷への愛情たっぷりの脚本が魅力です。それと、菅田さんのタコとの格闘シーンも必見です(笑)
井上さん:タコは重要ですね。いい仕事してくれました(笑)
また、今回は気仙沼出身の俳優で方言指導にあたった小野寺ずるさんも登壇。出演者のみなさんとの気仙沼弁にまつわるエピソードも披露されました。
―「気仙沼弁」の方言について―
井上さん:百香は、気仙沼弁の訛り具合も可愛らしく…といっても、気仙沼弁が可愛らしくないと言うわけではないですよ。1箇所だけ、コテコテに方言を出すとシーンがありまして『さんみぃがら、芋煮食べっぺす』と言うところなんです。その部分、ずるさんはすごく気合いが入っていて。『さんみぃ、です!真央さん!』と熱のこもった指導が入っていました。
司会:そうなんですね。じゃあ、特別に、今そのセリフを小野寺さんにやっていただけますか?
小野寺さん:‥‥さんみぃがら、芋煮食べっぺす。(会場拍手)
方言の練習など、撮影の裏側については、小野寺さんへの取材記事でもご覧いただけます。
≪あの人と、気仙沼のこと。≫
―映画をこれからご覧になる皆さんへのメッセージ―
岸監督:外から見ると東北の風景は本当に美しい。故郷を舞台にした映画がどのように映るのか、じっくり観てほしいです。
井上さん:たくさんの美しい景色やおいしい食べ物が詰まった作品。全国の皆さんがご自分の故郷を思い出せるような映画になれば嬉しいです。
小野寺さん:気仙沼弁って躍動感があって面白い言葉だなと改めて思いました。それを気仙沼の人ではない俳優さんが演じると、また違った面白さがあると思います
佐藤さん:この作品は、この後台湾の映画祭をはじめ、海外で上映される予定です。東北あるあるがいろんな国でどんな反応をされるかというのを見届けたいと思っています。
―ホヤぼーやも登場!お気に入りグッズ紹介も。―
舞台挨拶の最後には、菅原茂市長と、花束贈呈のプレゼンターとしてホヤぼーやも登場。最後の最後の質問としてお気に入りのホヤぼーやグッズを聞かれると‥‥?
岸監督:撮影中ずっと愛用しているバッグにホヤぼーやの缶バッジを4つつけていました!
井上さん:『おしゃべりホヤぼーや』(こちらがしゃべった音声を言い返すぬいぐるみ)を最終日にいただき、同じくいただいた気仙沼の日本酒を飲みながら、ぬいぐるみに『お疲れさまでした』と言ったら『お疲れ様でした!』と返してくれて(笑)。早速次の日買って、友人の子供にプレゼントしました。今も、お買い物に行く時はいつもそのおしゃべりホヤぼーやを抱えてくれているそうです。
小野寺さん:家の鍵に木彫りのホヤぼーやをつけています。
佐藤さん:ステッカーをたくさん買ってパソコンに貼っているのですが、(ホヤぼーやの)知名度が高く、いろんな方に声をかけられます。
みなさんからの「ホヤぼーや愛」を聞いて、嬉しそうなホヤぼーやでした。
そして、商業施設 気仙沼海の市の2階では映画「サンセット・サンライズ」展を入場無料で開催中です。こちらは、3月末までの予定でしたが、好評につき6月末までの開催が決定したことが菅原市長から発表されました。
キャストの特大ファブリックがみなさまをお迎えするほか、実際に使われた小道具やサイン色紙の展示など、「サンセット・サンライズ」の世界に浸れる空間となっております。
舞台挨拶後、岸監督と井上真央さんも「サンセット・サンライズ」展の会場を訪れてくださいました。
お二人のサインも書いていただきました。
ロケ地巡りと併せてぜひ、お越しください!
≪「ロケ地マップ」はこちら≫
今後、シカゴで開催されるAsian Pop-up Cinemaやローマで開催されるAsian Film Fetivalなど世界の映画祭への参加、4⽉2⽇より台湾での上映がスタートすることが決定した映画『サンセット・サンライズ』。気仙沼の魅⼒がたっぷり詰まったこの作品を通じて、世界中の⼈たちに気仙沼の美しい⾵景や温かい⼈々に触れる機会となることを願っています。
公開:2025年1⽉17日全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
コピーライト:Ⓒ楡周平/講談社 Ⓒ2024「サンセット・サンライズ」製作委員会
【公式HP】sunsetsunrise-movie.jp
【公式X】 @sunsunmovie2025
【公式ハッシュタグ】#映画サンセットサンライズ
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