食べてみて!気仙沼の珍味「もうかの星」

未分類 2024/10/02

みなさん、「もうかの星」ってご存じですか?気仙沼に来たことがある方は、すでにご存じかもしれませんね。

1「もうかの星」って?

「もうかの星」って、なんと、「モウカザメ(別名:ネズミザメ)の心臓」…なんです。サメの心臓っていうと、「えっ?」ってなるかもしれませんが、ホルモンや焼き鳥にも「ハツ」ってありますよね。でも、「なぜ、サメの心臓?」って思うかもしれません。
気仙沼はサメの水揚げ量が日本一で、全国に流通するサメの大半が気仙沼で水揚げされています。そして、中華料理の高級素材として知られているフカヒレは、気仙沼の特産品となっていて本場中国の中華料理店に輸出されたり、横浜中華街のお店などで使われています。
モウカザメは、頭、内臓を処理せずにそのまま水揚げされます。モウカザメが市場にずらりと並ぶ光景は迫力満点です。ヒレを切り落とした魚体は、すり身工場ではんぺんの材料となったり、シャークナゲットとして地元の学校給食に出されたりしています。また、モウカザメ以外のサメも、フカヒレだけでなく、肝油やサプリメント、化粧品、皮革製品、ドッグフードなど、くまなく使われているのです。そして「もうかの星」もその一つ。「もうかの星」は、鮮度が良くなければ食べることができないため、サメの水揚げが多い気仙沼だからこその珍味なんですね。

では、その「モウカザメの心臓」をどうやって食べるのでしょう?気仙沼では、昔から刺身で食べられることが多いです。見た目と食感、味わいはまるで牛のレバ刺しのようだとよく言われますが、いやいや、レバ刺しとは全然違うよ、という方も。確かに見た目はレバ刺しに似ているかもしれません。食べてみると臭みがなく、淡泊であっさりしているので、とても食べやすいんです。味や食感については、食べてみてのお楽しみ!ということで。
お刺身は、もともと酢味噌で食べられることが多かったのですが、最近ではごま油に塩で食べることも多くなりました。人によってはわさび醤油やにんにく醤油という食べ方もあるそう。気仙沼にお越しの際には、ぜひ、いろいろな調味で食べ比べてみるのもいいかもしれません。刺身以外だと、家でしぐれ煮にして食べるという人や、バター醤油で焼いて食べるという人もいるので、いろいろな食べ方ができるといえますね。
そして、注目すべきは、この「もうかの星」、高タンパク、低カロリー、低脂肪というヘルシーで栄養満点な食材だということ。ここも見逃せませんね。

2どうして気仙沼で食べられるようになったの?

では、どうして「もうかの星」が気仙沼で食べられるようになったのでしょうか。はっきりとした記録はありませんが、漁業関係者や飲食店の方々などに話を伺ったところ、気仙沼がサメの水揚げが多い、ということはもちろんですが、やはりもともとはサメ漁をしていた漁師さんたちの賄いだったとか。そして、市場では40年以上前から「もうかの星」の販売がされていたと言います。
当時は一般的に流通しているわけではなかったので、かなり安かったそうです。漁師さんが賄いや家に持ち帰って食べたり、もらって食べたりしていたぐらいでした。なので、地元でも昔から食べられていた、というものではありません。
少しずつ知られるようになったのは、40年ぐらい前に、テレビで「もうかの星」が気仙沼の珍味として紹介されたことをきっかけに、市内飲食店でも提供されるようになったこと、そして震災後、他所から復興支援で気仙沼に来た多くの人たちが「気仙沼の珍味」として「もうかの星」を紹介され、食べたからではないかと考えられます。また、2012年7月より食品衛生法にて、牛レバーの生食が、お店で食べられなくなりました。その際に、「もうかの星」の見た目や食感がレバ刺しに似ていると言われていることから、レバ刺しの代用として市外からの引き合いが多くなったのです。そのため、今では「もうかの星」も高級なものとなり、家庭でよりも、多くの飲食店で食べられるようになりました。また現在では市外・県外でも「もうかの星」を提供する飲食店が増えているようです。みなさんもどこかの居酒屋などで見かけることもあるかもしれませんね。

3市内で「もうかの星」が食べられるお店

気仙沼市内でもうかの星が食べられるお店をまとめました!
水揚げがない時もありますので、事前にお店にお問い合わせ・予約することをおすすめします。

ゆう寿司バイパス店

ゆう寿司バイパス店さんは、昭和34年創業の老舗お寿司屋さん。以前は魚市場の近くにありましたが、震災でお店が被災してしまい、現在は国道45号線沿いに移転して営業されています。三陸の四季折々の海の幸にこだわり、旬の地魚をはじめ、気仙沼ならではの新鮮な魚を中心に、お寿司、丼、焼き物などを提供しています。ご家族でやっていらっしゃって、温かみのある落ち着いた店内は、アットホームな雰囲気で本格的なお料理を楽しめます。親方と息子さんが、食材を丁寧に仕込んで出してくれるお料理やお寿司は、港町気仙沼の魅力がつまっていて、とても美味しいんですよ!

こちらで出してくれたのは、お刺身に、酢味噌とごま油に塩のつけダレ2種類です。
ゆう寿司バイパス店さんでは、血抜きをして、一晩置いて水分を抜くそうです。その方が、臭みもなくなり、より赤味が帯びてくるのだそう。酢味噌で出されるお店は多いのですが、酢味噌もそれぞれのお店で違うので、こちらも楽しんでいただければと思います。もうかの星に合うお酒として、辛口の日本酒がいいのでは、と気仙沼の辛口の地酒を出してくれました。確かに辛口の日本酒、もうかの星にはぴったりかもしれません。日本酒は、地酒のほか、地域に限定せずに選んだ日本酒がありますので、息子さんに聞けば「もうかの星」や他のお料理に合うものを出してくれます。女将さんの話では、もうかの星は滋養強壮効果もあるので、夏バテ防止としても食べられるとか。

▲お刺身と辛口の地酒
▲お刺身

ゆう寿司バイパス店さんは、観光客にはもちろんですが、地元の方にもファンが多く、大切な日などには、家族で食事に行ったり、お客さんが来た時のおもてなしに利用されています。いつも笑顔で温かく迎えてくれ、とても居心地がいいので、ついつい長居してしまいます。そんなお寿司屋さんなので、初めての方もぜひ、気楽に行ってみてください。おひとりでもカウンターに座って親方や息子さんのいろいろな話を聞きながら、美味しい地酒と肴、お寿司をつまめば、ゆったりと素敵な時間を過ごせること間違いなし!

施設名
ゆう寿司バイパス店
営業時間
11時30分~13時30分、17時~21時
定休日
不定休
電話
0226-22-2263
住所
気仙沼市赤岩石兜32-14

旬彩料理 鮮味


市内田中地区にある鮮味さん。震災直後は、南町の復興屋台村気仙沼横丁にありました。その季節でしか味わえない旬で新鮮な食事を味わって欲しい、という気持ちからこの店名になったそう。気さくで明るく、元気のいい女将さんが切り盛りしており、その日に仕入れた旬の食材を使って、手の込んだ美味しいお料理でおもてなししてくれます。とにかくお客さんがたくさん食べて喜んでくれるのが嬉しいという女将さん。鮮味さんには特にメニューはありません。事前予約のみとなりますので、予約の際にどんなメンバーか、地元か地元以外かなど、情報を伝えておくと、その時々で、お客さんに合わせた料理を出してくれます。お料理のリクエストがあれば伝えておくといいでしょう。

鮮味さんでは、様々な「もうかの星」のお料理を出してくれました。
まずはしぐれ煮と日本酒から。もうかの星をひと口大に切って、お酒、醤油、みりん、しょうが、味噌で煮込んだものです。もうかの星をしぐれ煮で食べるのは初めてです。ちょっと濃い目の味付けで、これは日本酒が進みますね。ビールにも合いそうです。

▲しぐれ煮

次に、もうかの星のカルパッチョ・バジルソース仕立てを白ワインで。なるほど!オリーブオイルにバジルソースで「もうかの星」も一気にイタリアンに!これも初めて食べますが、白ワイン、確かにいいかも!

▲カルパッチョ・バジルソース仕立て

そして、一番馴染みのあるお刺身と、こちらも日本酒です。鮮味さんでは、酢味噌とにんにく醤油で出してくれました。にんにく醤油はお醤油の中にスライスしたにんにくが入っていて、カツオのお刺身にもおすすめなんですが、「もうかの星」のお刺身もなかなかいけますよ。

そして最後は、韓国風にユッケです。こちらはビールとともに。お刺身に、コチジャンやごま油、醤油、砂糖などで味付けをしてあり、卵の黄身とよく混ぜて食べます。本当に焼肉屋さんで食べる牛肉のユッケみたいです。う~ん、こちらもビールが進んじゃいますね。

▲ユッケ

こんなにバラエティに富んだ「もうかの星」の食べ方も、鮮味さんならではかもしれません。ぜひ、食べ方もリクエストしてみてください。
鮮味さんは、気仙沼に単身赴任で来られている方たちにも人気のお店です。きっと、女将さんのどこかほっとする様な美味しいお料理とおしゃべりで一日の仕事の疲れを癒してくれるのかもしれませんね。旅の思い出に、地元ならではのこういったお店にもぜひ、足を運んでみてください。

施設名
旬彩料理 鮮味
営業時間
18時~22時
定休日
日曜・祝日
電話
090-8927-1003
住所
気仙沼市田中前3-1-24

福幸酒場おだづまっこ

福幸酒場おだづまっこさんは、震災前の2009年に南町にお店をオープン。震災後は、仮設商店街 福幸小町田中通りにて営業を再開し、現在は神山で営業しています。地元気仙沼の食材をメインに地元のお客さんなどでいつも賑わっていて、カジュアルで活気のある居酒屋さんです。居心地の良さを大事にしていて、お客さん同士も仲良くなれるお店です。また、ここに行けば、気仙沼の地酒、気仙沼で水揚げされた旬の魚のお刺身はもちろん、メカジキのハーモニカ煮、気仙沼ホルモン炒めやカツオハラスや、サメ軟骨入りの梅水晶など、気仙沼ならではのものをひと通り飲んだり食べたりすることができます。また、居酒屋定番メニューや、各地の日本酒をはじめ、果実酒やカクテル、ハイボール、ワイン、ウイスキーなどの飲み物が揃っています。

おだづまっこさんのモウカノホシもお刺身で、ごま油と塩のたれでレバ刺し風にいただきます。部位ごとの食感の違いを感じられるのは、やはりお刺身でいただくのが一番です。ぜひ、食感の違いを味わってみてくださいね。

▲お刺身と旬の地酒
▲お刺身

「地元や外から来られるお客様に気仙沼の食材を使って美味しく提供し、「気仙沼」の良さを食で伝えたい!」と親方は言います。スタッフの方々も気さくで、お酒やお料理の説明を分かりやすく丁寧にしてくれ、いつもお客様に気配りしながらテキパキと気持ちのいい接客をしてくれます。
おだづまっこさんには、カウンター、テーブル、掘りごたつ式の小上りがあります。おひとりで来るもよし!仲間やグループで楽しい時間を過ごすもよし!メニューや飲み物もたくさんあり、ソフトドリンクやご飯ものもあるので、お酒を飲めない方でも楽しめます。気仙沼で水揚げされる新鮮な魚介類のお刺身の盛り合わせは必ず頼んでくださいね!
ぜひ、地元の人たちで賑わう元気で陽気な気仙沼の夜を過ごしてみてはいかがでしょうか?お酒が進みますよ…。

施設名
福幸酒場 おだづまっこ
営業時間
17時~23時
定休日
日曜
電話
0226-24-0205
住所
気仙沼市神山2-2

郷土料理居酒屋 男子厨房 海の家

男子厨房 海の家さんは、もともと震災前は階上地区で民宿をされており、震災後、南町の復興屋台村気仙沼横丁さんからスタートしました。現在は、同じ南町の「紫神社前商店街」の2階にあります。地酒や郷土料理を出しており、新鮮な海鮮はもちろん、気仙沼の郷土料理「※あざら」やタラの白子酢、どんこのタタキ、まつも酢など、気仙沼以外ではなかなか食べることができない旬のお料理が食べられ、気仙沼ならではの家庭的な味わいも楽しめ、常連さんが足しげく通うお店です。飲み物も地酒、ひと通りの種類が揃っており、気仙沼では出しているお店が数少ない泡盛の古酒(クースー)も飲むことができるんですよ!
※あざら‥‥白菜の古漬けとメヌケのアラを酒かすとみそなどで煮込んだ郷土料理

▲お刺身と地酒の利き酒セット

男子厨房 海の家さんのもうかの星は、お刺身に酢味噌です。こちらの酢味噌は、気仙沼の家庭で作る酢味噌のため、火を通さず少し酸味が強いものになっています。やはりお店によって酢味噌の味もそれぞれですね。

男子厨房 海の家さんでは、貝の形の焼き皿でイカと野菜をみそ、バター、イカの肝で煮込む「イカの貝焼き」が特におすすめなので、ぜひ頼んでみてくださいね!イカの貝焼きを食べた後には、出汁がたっぷりと染み出たスープで「おじや」も作って食べられます。また、地酒の利き酒セットがあるので、まずはそちらを。そこから自分の好きな地酒を選んで頼む楽しみがあります。
店内は、カウンター6席、テーブル6席と、こじんまりとしているので、まずはお席が空いているかどうか行かれる前に確認してみてください。気仙沼の郷土料理と地酒を落ち着いてゆっくり堪能したい方におすすめです。また、こじんまりしているが故に、地元のお客さんや他のお客さんとの楽しい出会いがあるかもしれませんよ!

施設名
郷土料理居酒屋 男子厨房 海の家
営業時間
18時~23時
定休日
火曜、第1・第3水曜
電話
090-3364-8948
住所
気仙沼市南町2-4-10 紫神社前商店街2階

いずれのお店も事前に予約をお願いします。また、ご予約の際に、「もうかの星」が食べたい旨も伝えていただくと、スムーズです。なお、水揚げ状況や入荷状況によっては「もうかの星」や本文記載のメニューがない場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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