All posts by 武山せい子

この記事を書いた人
武山せい子
緑豊かな気仙沼の奥座敷・八瀬地区に生まれ、小中学校の通学路は片道1時間の山道。樹木や山野草が大好き。山主サヤカさんに興味津々。 元連絡船発着所そばの魚町・武山米店に嫁いでまもなく半世紀。 生涯現役を目指して奮闘中。趣味はガーデニングと野鳥観察。
気仙沼のごはん「おふかし」

このコーナーでは、気仙沼の市民の方に先生としてご登場いただきます。今回の先生は、武山米店の武山せい子さん。気仙沼ならではの食べ物「おふかし」について教えていただきました。

それではせい子先生、よろしくお願いいたします!

気仙沼の「おふかし」とは

一般的には「おこわ」と呼ばれているごはんを、気仙沼では「おふかし」といいます。
ふかすから、丁寧語をつけておふかし。3年前におこわ屋を始めた時、「おこわって言われでも分がんねでば。『おふかし』だすぺ?」と言われることしばしば。

ご年配にはおふかしの方が通じるようです。そして、

「昔はよぐ作ったんだけんとねぇ」

と遠い目で語る方も。
仮設住宅暮らしでは蒸し器を置くスペースがなく、わざわざ新調してまで、という方も少なくなかったようです。最近は減りましたが、以前はみんなで持ち寄って食べ比べするほど、気仙沼では家庭の味として親しまれている料理です。

もち米は日持ちも腹持ちもよく、ついて乾燥させれば保存食にもなりますから、昔は貴重な食材だったようです。おふかしはとくに、ハレの日の特別なご馳走として振る舞われました。
慶事では小豆やささげを入れ赤く仕上げて、およろこびを、より華やかにします。
逆にお彼岸やお盆の仏事には白ささげやクルミを入れた「しろぶかし」。地味な色合いで仕上げます。
結婚式場や葬祭場がなく、冠婚葬祭を家でやっていた頃は、どの家にも5升くらい蒸せるセイロがあったとか。

▲かまど時代に大活躍のせいろ。武山米店・炊飯博物館で展示しています

出来上がったおふかしは蓋つき桶「ほげ」に入れて振る舞ったそうです。

▲おふかしを入れた「ほげ」。人によっては「ほかい」とも呼び、正しい呼び名が分かりません。

普段の日はタケノコや栗など旬の素材をまぜたり、五目にしたり。気仙沼では甘納豆で赤飯をつくる家もあり、引き出物の甘くない赤飯にショックを受けたという話も聞きます。

では、おふかし作り方をご紹介します。

「おふかし」の作り方

1.もち米を一昼夜水に浸しておく。
2.もち米をザルにあげて水気を切り、具とよく混ぜる。

▲もち米と具はまんべんなく。どちらかに偏ると硬さがばらつくことも。

3.強火でふかす。
4.湯気があがったら「シトブチ」する。
古語の「湿(しと)」が由来で、「しと打ち」が訛ってしとぶちになったんだとか。もち米全体にお湯や調味液を回しかけながら全体を混ぜる、いわゆるふり水です。

▲しとぶち。湯気が立ちこめて、メガネなら一瞬で視界不良に。そんな中、せいろにまんべんなく振るのがポイントです。

5.10分おきに上下をひっくり返しながら混ぜる。
というのも上下で蒸気の強さが違うので、もち米にまんべんなく蒸気が行き渡るようにひっくり返します。

▲10分おきに2~3回繰り返し、40分ほど強火で蒸すと完成です。

6.タイミングを見計らってしとぶちを数回繰り返す。
水分を補って、かたさを調整します。

火にかけて出来上がるまで40分位です。
ちょっと手間はかかりますが、赤子泣いてもフタが取れない炊飯と違い、おふかしは仕上がり具合を確かめながら調理できます。
誰でもおいしいおふかしが作れますので、ぜひ試してみてください。

武山米店で販売しています!

自分でつくるのはちょっと、という方はどうぞ当店へ。
さまざまな旬の素材をまぜこんだおふかしを提供しています。
いまの時期は、気仙沼特産のホヤ。

▲ホヤおこわ

獲れたての身を具に、ホヤのだし汁でシトブチしながら、旨みをたっぷり吸わせています。
毎週火・水・木曜日、その日の分だけふかし、売り切れ御免でございます。
旬の具材のほか、定番の五目など何種類か取り揃えております。

▲武山米店
店名
武山米店
電話
0226-22-0266
営業時間
月曜日~土曜日 9:00~18:00(おこわ販売は毎週火・水・木曜日 10:00~売り切れ次第)
定休日
日曜
住所
気仙沼市魚町1-1-13