気仙沼メカジキ メカ×メカ探検隊

グルメコラム美食探偵S メカ×カレーの謎をとけ!~前編~

おすすめ 2018/09/11

気仙沼メカジキ メカ×メカ探検隊

「メカ×カレーの謎をとけ!の巻」~前編~

目次
1.気仙沼メカジキとは?
2.気仙沼メカ×カレー
3.ビストロ クードフー「メカステーキオリエンタルカレー」
4.レストランBrunch「メカカツサンド」
5.アンカーコーヒー マザーポート店「スパイシーメカカレー」
6.メカ×カレーをさらに調査 …後編へ続く!

気仙沼メカジキとは?

剣のように鋭く尖った部位を持ち、魚体の重さは100キロを超え、そして時速100キロを超えるスピードで泳ぐ海のスプリンター「メカジキ」。

実はこの魚、その獰猛な見た目とは裏腹に、きめ細やかな身にたっぷりと脂を蓄え、煮ても焼いても揚げても刺身でも美味しくいただける。

メカジキの水揚げ日本一を誇り、全国シェア7割を占めるここ気仙沼ではメカジキを「メカ」と呼び、多くの家庭で食べられてきた。一説には全国で一番メカジキを食べているといわれるほどこの街ではメカジキが愛され、たくさんの調理法があみ出されている。

「だってカジキって釣りキチ三平や松方弘樹がトローリングで釣り上げる魚でしょ?」

…… そんなあなたのために、ビルフィッシングではない、漫画のイラストではない、グルメとしてのメカジキを気仙沼に来てお腹がポッコリ出た美食探偵Sが調査する。

 

気仙沼メカ×カレー

気仙沼でお昼を食べるなら、気仙沼メカ×カレーはいかがだろう。

この街は日本有数の漁港だけあって、海鮮丼もお寿司も確かに旨い。いや、美味しさで言えばこの街で食べる刺身、特に旬の魚は産地ならではのこたえられない旨さだ。

でも、この街で1日過ごすと、普通の人の1週間分、下手をすると1か月分の魚を一度に味わうことになるため、コーヒーやカレーが無性に恋しくなることがある。

そんなときのお昼はこの気仙沼メカ×カレーだ。

「メカ」とは気仙沼でのメカジキの愛称。気仙沼ではメカジキをメカと呼び、日常の食卓にのぼるメジャーな食材。気仙沼では昔からメカをお肉の代わりにカレーの具に使い「メカカレー」として食べられてきた。そのメカカレーにヒントを得て、気仙沼のメカを知り尽くした料理人が開発したのがこの「気仙沼メカ×カレー」。はじめは市内の飲食店12店舗がメニュー化したが、その後メニューに加える店が続いており、それぞれの店舗が特徴的なカレーを提供している。

ビストロ「クードフー」


例えば、市内田中前のビストロ「クードフー」のメカ×カレーは、イカ墨のカレーソースのうえに、海の幸のリゾットとメカのステーキを乗っけたもの。「メカステーキオリエンタルカレー」という名で提供されている。

レストランBrunch


市内上田中の「レストランBrunch」のメカカレーサンドも図抜けた旨さだ。メカジキのカツにカレーソースと野菜をはさみ、カツサンドに仕上げたもの。しっとりしたパンとカレーが効いたやわらかいカツの組み合わせは、はたしてカツサンドはメカジキのために考え出されたんじゃないかと納得させられる説得力のある味だ。

アンカーコーヒー マザーポート店

いや、やっぱりカレーはご飯にかけて食べないと… という貴方。貴方には「アンカーコーヒー マザーポート店」の「スパイシーメカカレー」はどうだろう。

ご飯とは別に供されるカレーの器にはスープ状に近いカレー。その中にごろっと存在を主張するメカジキをスプーンでご飯にかけて一緒にほお張ると、見た目とは違うその柔らかさに驚いてしまう。

 

ね、すごいでしょう、メカジキ。気仙沼人のメカ愛の一片がわかります?
こんなにたくさんの気仙沼メカ×カレーが生まれたのも、肉の代わりにメカジキをカレーの食材に使っていたからなのだ!

メカカレーをさらに調査 …後編へ続く!

……と、こう書いている私、実は気仙沼メカ×カレーを食べるまで、カレーの具にメカジキを使ったことはない。もっと言えばメカカレーなんて正直聞いたこともなかった。子どものころからずーっとメカを食べてきたにも関わらずである。

市内の住宅地に住む我が家のカレーは、私が物心ついたころから豚肉のカレーだった。りんごとハチミツのバーモントカレーをつかった、じゃがいもがごろっと入ったやつ。変わったところと言えば、母ではなく祖母が作ると、しいたけの戻し汁を加えること。この精進風のカレーは正直私は苦手だった。

給食のカレーも確か豚肉だった気がする。たまにシーフードカレーが出たが、これはエビやイカが入っていたように記憶する。

メカカレー…… 気になったので、美食探偵はさっそく調査に入った。調査を進めていくとメカカレーを通して戦後の食文化史的な背景が見えてきた(ように感じる)。

 

美食探偵Sによる、さらなる調査のレポートは後編でお届けする。
カレーという切り口から辿る、新しい気仙沼の昭和史は、一読の価値あり!
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